ジゴキシンの中毒域と有効治療域に明瞭な境界は存在しない
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つまり、オーバーラップ域が存在する。薬力学的な視点。ジギタリス中毒を起こしやすい病態と相互作用。
コラムでは薬物動態学的なジゴキシンの相互作用を扱ったので、今回のブログでは薬力学的な観点を補足しておきたい(参照:ジゴキシンとの併用、このP-gp阻害薬に注意!)。ジゴキシンの有効治療血中濃度範囲は一般的に 0.5 ~ 2.0ng/mL(血清中濃度)と考えられており、その範囲は非常に狭い。実際には中毒域と有効治療域の間には明瞭な境界はなく、オーバーラップ域が存在する。その一因としては、低カリウム血症、高カルシウム血症、低マグネシウム血症などの電解質のバランスが崩れた状態、腎疾患のある患 ...