主人公が持ち歩いているモノは?
投稿日:
「部屋を出る時、拳銃の中から弾丸を一つ、抜き取った。私はそれを、自分の守りのように、取っておこうと思った」(P. 173)
銃 [ 中村文則 ]価格:583円(税込、送料無料)
「昨日、私は拳銃を拾った」この最初の一文が僕をこの物語に引き込むと同時に、僕はある小説を思い出す。夏の葬列 [ 山川方夫 ]に収められている短編『お守り』だ。
『お守り』に登場する関口はダイナマイトを所持している。関口は言う。「ああ、なんという画一性!」「ぼくは任意の一点なんかではない」。そして、他の誰でもない自分をつかまえるために手に入れたお守り、それがダイナマイトだった。
「みんな、なんとかかんとかいって ...